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試験的なイラストぶろぐ
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対魔征伐係.119「新学期明けの霧月と①」


「・・・しまった・・・」
放課後の廊下。
図書室の扉に手をかけた真司は思わず動きが止まる。
扉に当てた自分の手を見てふと思い出したことがある。
先日の仕事の際に久しぶりに生傷を全身に負った真司は今週一杯は修行は休みになっていたのだった。
修行がないのならばこうして放課後に時間を潰しにくることもなかった。
だが来てしまった以上は入るべきかどうか迷ってしまう。
(・・・まぁ、どうせなら後で来るか・・・)
今の全身切り傷、擦り傷が見える状態で会うと余計な心配や詮索をされそうだったので、また日を改めてくることにした。
「・・・先輩?」
「・・・いよう・・・」
踵を返し、帰ろうと思った矢先、廊下の先から声を掛けられた。
それは今しがた真司がまた後で会おうと決めていた人物だった。
「・・・今日は委員の仕事は今からなのか?」
「・・・いえ、本当は今日は無かったのですが・・・」
霧月は何か言いづらそうに言葉を詰まらせる。
真司と同じようにこの図書室前まで来て思い出した口だろうか。
「・・・その怪我・・・」
「・・・あぁ・・・まぁ、派手に転んでな」
やはり突っ込まれてしまった。
だがそんな突っ込みは今日の朝に学校に着いた時から皆に言われてきたことだ。
言い訳も今日ずっと使ってきたものを使う。
「・・・そう、ですか・・・」
(・・・やはり無理があったか・・・)
下手に考え込むと余計怪しまれるので即座に返答したのだが・・・
やはりありきたりすぎたのか、霧月は怪訝な表情をしている。
クラスメイトたちは笑って終わったのだが・・・霧月相手にはどうにもそれだけで済ませられる気配ではない。
「・・・そうだ、俺もこの後は何もないから、何処か行くか?」
「・・・あ、はい。私でよければ」
なにやら考え込んでいた霧月を無理矢理別の話題へと引っ張る。
「・・・まぁ、何処に行くかは全然決めてないんだけどな」
「それは帰りながら考えましょう」
こうして二人は共に帰路へついた。


・・・・・・


「・・・懐かしいですね」
「まぁ・・・な、まともに公園で遊んだの何て何年前だか・・・」
結局何処か良いところは思いつかず、帰り道の途中にあった少し大きい公園に寄る事にした。
中には滑り台や鉄棒、ジャングルジムなどがある。
今の時間はまだ夕方であり、夏の夕方ではまだまだ日は高い。
公園内には子供の姿や親子連れの姿が見受けられる。
何とも平和な光景だった。
寄り道をしたはいいが、ベンチは子供を見守る奥様方に占拠されている。
ブランコの周りには子供たちが集まっている。
「・・・まぁ、座れれば何処でもいいか」
残った遊具の中で座れる物。
尚且つ誰も使っていない物はひとつしかなかった。
二人はそんな条件を満たすジャングルジムの前までやってきた。
真司は鉄の棒にもたれる様に寄りかかる。
一方、霧月はというと・・・
「・・・前の遊園地のときもそうだったが・・・意外とこうゆうものは好きなんだな?」
「・・・いえ、その・・・懐かしいというか・・・」
キッチリ一番上まで登っていた。
霧月は意外と子供なのかもしれない。
少なくとも体型だけは子供のようなままだが・・・
「・・・霧月ちゃん」
「・・・はい?」


1p542.jpg


そんな馬鹿なことを考えていた真司はふと思ったことがある。
「・・・その、もう少し気にした方がいいぞ?」
「・・・?」
真司の言っている意味が理解出来ない様子の霧月は首をかしげる。
「・・・いや、素晴らしく・・・バッチリ見えてしまっているんだが」
「・・・」
真司の指摘でハッと気がついた霧月。
すぐに少し腰を浮かせるとスカートをお尻の下に敷き、下着を見えないようにした。
(・・・アレはアレで・・・いや、見えてはいないし、いいか・・・)
相変わらず馬鹿なことを考えている真司の目線もやはり変わらず一点を見ていた。
「・・・それは先輩がそういうところばかり気にしているからです」
「・・・え?あぁ・・・ま、まぁ・・・それもある・・・かなぁ」
多少機嫌を損ねた様子の霧月が鋭い突っ込みを入れてくる。
実際にずっとピンポイントで見ていた真司は我に帰り急いで目線を上ではなく前へと移す。
「・・・一応・・・これからは気をつけます・・・」
「あぁ、そうした方がいいと思う・・・少し残念だが」
最後に一言、独り言のように言葉が漏れた。
「・・・少し・・・どうしました?」
「あ、いや・・・少し・・・暑いなーとか思ってな?」
「・・・そう、ですか?」
正直言うほど暑くは無かったが、それしか咄嗟の言い訳は出てこなかった。
本人の為にやはりもう少し周りの男の目を気にした方がいいとは思ったのだが・・・
そうすると自分もまたそういった機会にはめぐり合えなくなってしまう。
複雑な心境だった。
(・・・俺、飢えてるなぁ・・・)
ひしひしと異性に飢えていることを痛感する真司だった。


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シンヤ(nanpP

Author:シンヤ(nanpP
・東方では始めて会った時からレミリア一筋。
・生粋の黒ニーソスキー。
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