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-放課後 図書室前-
(・・・今日は居るかねぇ・・・)
夏本番に入り、しばらく。
少し前から郁との修行は教師の仕事の多忙化により、稀に休みになることがあった。
その頻度は夏休みが近づくにつれ、日に日に増していった。
真司も修行当初よりは見違えるほど成長している。
それもあって、今のようなペースになった・・・とは真司の都合のいい解釈かも知れないが。
ともあれ、そんな何回目かの修行の無い放課後。
バイトの時間まで数時間ほどあったが、特に予定も無かったので思いつくままにふらふらと図書室までやって来た。
中へ入ると相変わらずの涼しさであり、何処か重い本の匂いがした。
周りを見回すと以前来たときと同じように数人ほど読書や勉学に励んでいる生徒が居る。
そんな生徒たちを横目に、真司は図書室内にあるひとつの扉の前で立ち止まる。
(・・・居なかったらゲーセンかねぇ・・・)
居なかったときの場合を考慮しながらドアをノックする。
しばらくしないうちにドアは小さな音を経て、ゆっくりと開いた。
「・・・また来たんですか?」
「また来たんだ」
ドアの隙間からひょっこりと上半身だけ覗かせるように霧月が出てきた。
相変わらずの無愛想な挨拶(?)だが、前回で大分慣れたので動じることなく答える。
「・・・まぁ、どうぞ」
「お邪魔するぜ」
久しぶりの個室に入る。
以前来たときとは違い、部屋中に本が置いてあるということはなく、机の上と床に少し積まれている程度だった。
霧月はドアを閉めるとさっさっと椅子に座り、机の上に置いてある図書カードを整理し始めた。
全学年分あるのだろうか、ぱっと見ただけでも結構な枚数がある。
真司は向かいの椅子に座り、霧月の図書委員としての仕事振りをボケッと見ていた。
「・・・何しに来たんですか?」
「ん~・・・暇つぶしに」
「・・・」
「・・・」
流石にじっと見られては集中できないのか、霧月に問いただされるも素直に答えた真司だったが、
霧月はその答えに呆れることもなく驚くこともなくまた黙々と仕事に戻ってしまった。
このままテキパキと仕事をこなしていく霧月を眺めていてもそれはそれで良いと思っていたが、どうせなら思いついたことでも聞いてみることにした。
「なぁ、思いついた質問していいか?」
「・・・答えられることでしたら」
頬杖をつきながら霧月の仕事振りを見学しつつ、質問をする。
答える霧月も仕事をしながらなので、目線は手元にある。
とても会話をしているような状態では無かったが、気にせず思いついたことを聞いてみる。
「霧月ちゃんは放課後は毎日委員の仕事してるのか?」
「いえ、月水金だけです」
とりあえずここに居る曜日は覚えておくことにした。
「・・・前回はアレだったが・・・好きな食い物とかは?」
「・・・さっぱりしたものなら」
コレも記憶。
「・・・あまり運動とかは好きそうじゃないよな」
「・・・得意ではありません」
やっぱり記憶。
「・・・泳げないとかってことは?」
「・・・苦手なだけで人並みには出来ると思います」
綾音の件があったのでとりあえず聞いてみた。
「・・・勉強出来そうだよな」
「・・・恵理佳と同じくらいですよ」
やはり予想通りだったようだ。
こうして質疑応答している間も霧月は図書カードの整理をしっかりとこなしている。
流石だった。
「・・・好きなヤツとか居る?」
「・・・居ません」
流れと勢いで思いついたことをそのまま聞いてしまった。
少々配慮が無かった気もしたが、何時もの調子で答えてくれたので続けてしまうことにした。
「・・・付き合うならどんなやつがいい?」
「・・・・・・特にないです。必要ないですし」
流れ的に聞いてしまったが、予想以上に冷めた答えが返ってきた。
「あ、そうだ」
「・・・?」
丁度いいタイミングだったので、ここら辺で切り替えることにした。
「この前珈琲ダメだって言ってたろ?」
「・・・はい、言いましたけど・・・」
内容が質問から変わった所為か、今度はキチンと真司と向かい合って目を合わせて話すようになる。
「珈琲はちゃんと豆から淹れた美味い珈琲は別物みたいな味がするから、飲んでみないか?」
「・・・多少興味はありますけど・・・」
珈琲の味はピンきりだ。
モノにもよるが、少なくとも缶珈琲などと専門店で淹れた珈琲とでは全く違う。
缶の味は受け付けなくてもキチンと淹れたものなら大丈夫だった知り合いを数人知っていた。
「行きつけの美味い珈琲屋があるんだが、帰りに行かないか?前回の詫びも兼ねて」
「・・・いいですけど・・・」
前回の、とは一応の取ってつけた理由足しなのだが。
霧月は承諾してくれた。
「けど・・・?」
「今回は私の分は私が払いますので」
「・・・おう」
今回も強引にでも奢ろうと考えていた真司。
よもやこの段階で先制されるとは思っていなかった。
流石の霧月である。
「・・・それじゃあ、遅くなる前に片付けますね」
言いつつ席を立ち上がる。
だが、何時もよりも急いでしまったのか、テーブルの片隅に積んであった本を崩してしまう。
音を経てて床へと落下する本。
図書カードは無事だったのが不幸中の幸いだった。
「・・・あ・・・」
その場でしゃがみこんで本を拾う霧月。
後輩の女の子がしゃがんで拾っている中、自分が椅子に座っていることなど出来るはずもなく、急いで真司も本を拾い始める。
「ありがとうございます」
「いいって」
大方落ちている本は拾い終わった。
「・・・1冊足りない・・・?」
「ん・・・?」
本を拾い終え、机に戻しつつ数えていた霧月が呟く。
言われてもう一度床を見てみる。
だが本が落ちた周辺には見当たらない。
「・・・」
「何処だ・・・?」
辺りを探していると急に霧月が四つん這いになった。
「・・・ありました」
「・・・マジで?」
どうやら本棚の下にまで潜り込んでしまったようだ。
何度か経験があるのかスグに四つん這いになり本棚の下へと手を伸ばす霧月。
「・・・青いな」
「・・・青い?」
決して長くはないスカートで四つん這いになってしまうと自然とこうなる。
そして目が行くのもまた自然の流れだった。
恐らく普段は何時も一人で仕事しているので気にならなかったのだろう。
が、口に出してしまった以上は何とか誤魔化さなくてはいけない。
「・・・いや、拾った本の中にさ、読めない漢字があってな?俺もまだまだ青いなと・・・」
咄嗟の良い訳にしては苦しいながらも上出来だと思った。
「・・・良かったらお勧めの本を紹介しますよ」
「あぁ、是非頼む」
ここで流れを止めるわけには行かなかったので、即答してしまう。
「それじゃあちょっと待っててください」
「あぁ」
本棚の下から本を無事に救い出した霧月は図書カード入れも指定の場所らしきところへ戻し、急ぎ部屋から出て行ってしまう。
心なしか足取りが軽かったように見えたのは気のせいかもしれない。
ともあれ、変態扱いされる危機は去った。
(・・・まぁ、偶には読書もいい・・・よな・・・)
こうして仕事を終えた霧月と図書室を出るときには何も入ってなかった真司の鞄の中に厚めの本が二冊ほど入れられていた。
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