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試験的なイラストぶろぐ
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対魔征伐係.52「違いの分かる男②」


鎮守高校から商店街方面へ歩くこと十数分。
様々な店が軒を連ねるアーケード街へとたどり着く。
多種多様な店が肩を並べて乱立している中、その珈琲店はひっそりと存在していた。


そんな知る人ぞ知るような店のドアを真司は躊躇することなく開ける。
「こんちゃー」
軽い挨拶と共に店内へと入る。
真司の後から霧月も続く。
店内は周りが建物で覆われている所為か、日差しは無く、夏の夕方だと言うのに薄暗い。
だがそれも店主の雰囲気作りの一環なのか、おかげで店内は静かで大人びた雰囲気になっていた。
とても学生が来る様な場所には思えない。
「お、真司君いらっしゃい」
カウンターの奥から店主らしき中年男性が声を掛けてきた。
髭を生やし、長めの後ろ髪を大雑把に結んでいる。
それでも不衛生に見えないのは元々似合っているからか、似合うようにしているのか。
「・・・こんにちわ」
真司が挨拶をしたので、自分がしないわけにもいかないと思ったのか霧月も小さい声ながら挨拶をする。
「こんにちわ。真司君の新しい彼女かい?」
見た目の渋い印象に反して気さくに笑う店主のようだ。
「なら良かったんだけどさ・・・」
「残念ながら只の後輩です」
「なるほど、それは失礼を」
一通りの冗談の掛け合いも笑って詫びる店主。
何処か真司と似ているような気がした。
真司は店主との挨拶もそこそこに店の奥へと迷うことなく進んで行く。
途中いくつかの席の横を通るとチラホラとお客を横目にすることが出来た。
決して目立たない外観の店で今の時間にこれだけ人が居るということはやはり相応の品質があるのかも知れない。
そして店主との会話や店内での言動で真司は相当の常連なのだろう・・・霧月はそんなことを考えていた。


何時もの指定席なのか、店の奥にあるテーブル席へと座ると早速注文するモノを考える。
「俺はいつものヤツで決まっているけど、霧月ちゃんは・・・豆の種類とかは分からないか」
「・・・はい、あまり詳しくないので・・・」
メニュー票を見ても分かるものはケーキの名前程度でメインとなる珈琲豆の名前は有名なもの数点くらいしか霧月には分からなかった。
それが一般人としては当たり前なのだが。
いかにも博識という雰囲気の霧月に何かを教えられるというのはやはり気分は悪くないものだった。
「ん~・・・苦いのがダメなんだよな?」
「そうですね・・・苦いというかあの独特の味が少し・・・」
テーブルを挟んで対面でメニュー票を眺めながら霧月のオーダーを考える。
「じゃあ・・・苦味が少なくて香りのいいヤツがベストかな」
「・・・そんなものあるんですか?」
珈琲を豆から選んだことなどない霧月にしてみれば精々違いといえば無糖かどうか程度だった。
「じゃ・・・これかな」
「・・・ブルーマウンテン・・・ミスト・・・?」
霧月にしてみれば全く聞いたことも無い名称だ。
「香りがあって滑らかな味で・・・恐らく霧月ちゃんも飲めると思うぜ」
「じゃあ・・・私はこれで」
こうして二人は注文が決まったところで店主とは別の店員にオーダーを取ってもらう。


・・・・・・


程なくして、二人の下には注文した品々がやってきた。
早速カップを口に運ぶ真司。
「んー・・・やはり美味いな・・・」
本当に美味しそうに飲んでいる真司を見て、霧月も目の前に置かれている珈琲カップに手を付ける。
「・・・あの、ミルクとかお砂糖は入れたほうがいいんでしょうか・・・?」
こういった専門店に来たことがない霧月は何処か何時もよりも謙虚に見えて可愛かった。
「あぁー・・・ちょっと、気になることがあるから、そのまま飲んでみてみ?」
苦味が苦手ならば砂糖やミルクで中和する、誤魔化すということをすればマシになるのだが、霧月の場合は多少引っかかる部分があった。
言われるがままに一口だけ、口に運ぶ。
「・・・どうだ?」
霧月は世辞や意味のない嘘は吐かない性格なので気に入らなければそう答える筈だった。
「・・・美味しい・・・か、どうかはまだ分かりませんが・・・飲めます」
非常に素直な意見だった。
「上出来だな。そのケーキの後に飲んでみ?」
「・・・はい」
また言われるがままに一緒に頼んだケーキを一口食べた後に、珈琲を一口。
「・・・美味しい、合いますね」
「だろ?」


1p459.jpg


今度は念願の言葉を聞けた。
しかも何気に出会ってから初めて見た気がする、霧月の笑顔のオマケ付きだった。
やはり霧月は苦いもの自体もあまり好きでは無かったのかも知れないが、缶珈琲の味。
特に砂糖やミルクが多く入っている下手な缶珈琲は独特の味がするので、それが嫌いだったようだ。
「・・・今日はありがとうございました」
今まで苦手だったものを克服できたお礼か、気の早いお礼が霧月から言われる。
「いいって、俺も初めて霧月ちゃんの笑っているところ見れたし、こちらこそ礼を言いたいくらいだ」
「・・・そう、ですか・・・?」
戸惑うような驚いたような照れたような・・・なんとも言えない表情になる。
そんな顔を隠すようにまたカップに口をつける。
「んじゃまた俺がここ来る時は誘うよ」
「・・・恵理佳じゃなくていいんですか?」
「・・・何処で分かったんだ・・・」
最後の最後に華麗にカウンターを貰った真司だったが、その時見た霧月は微かに笑っていたような気がした。



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シンヤ(nanpP

Author:シンヤ(nanpP
・東方では始めて会った時からレミリア一筋。
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