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「・・・どういう事だ・・・?」
結界内に閉じ込められたままの甚平に問いただす真司。
「言った筈だ、既に神卸しは始まっていると・・・そして一度流れ出した神の力を止める術はない。
人柱である恵理佳が居なくなれば・・・その力は制御出来ずにこの地に溢れ、やがては地上神が復活することになる」
「・・・何だと・・・?」
甚平は自嘲するように笑いながら呟く。
「恵理佳を救いたければ救うがいい・・・だが、その代償としてこの世の人間全てを危険に晒すということを覚悟しておくことだ。
無論・・・それはお前や白鳥の娘、そして恵理佳もまた例外ではない」
「・・・地上神が仮に復活したとしても倒せば良いだけの話だろう」
甚平の事実の脅しを切って捨てる真司、だが・・・
「・・・倒すだと?それを本心から言っているのではあるまいな?神の力の一部を得た私に手も足も出なかったことを既に忘れたとでも言うのか?」
「・・・」
反論を言いたい真司だったが、事実だけに上手い返し言葉が思いつかない。
「・・・兄さん、私はやっぱりこのままでいいよ」
「・・・?お前、何言ってるんだ・・・?」
既に四肢の鎖は断ち切られ、自由の身となった恵理佳はその場から動かない決意を表した。
その表情は暗いものだったが、その言動からは固い決意が感じられた。
「・・・おじい様、私の家族が起こしたことで何の罪もない人を危険な目にはあわせたくないし・・・それなら同じ家族の私が責任を・・・」
「・・・何言ってるの?甚平がこのまま神の力を手に入れたら世界はどうなると思うの!?」
恵理佳に真妃が強く言い聞かせる。
「・・・それでも・・・それでも、皆が危険な目に合うよりはいい」
「・・・」
恵理佳の決意はやはり本物であり、その強い覚悟を持った言葉に真妃もそれ以上は何も言えなくなってしまう。
それは地上神が復活すると言う甚平の話が真実だと言うこと。
そしてそうなった場合、きっとどうにもならないと思ってしまっていることも原因のひとつだった。
ここまで切迫してしまったことが全て悪いと言えばそれまでなのだが・・・
こうなってしまった以上は取れる行動は二つに一つしかないのである。
恵理佳の言葉に耳を貸し、このまま儀式を成功させる。
そして甚平に神の力を与える。
確かにそうすれば地上神が復活し、世界の人間を危険に晒すよりは数段良い様に思える。
少なくとも甚平の言葉では人間をどうこうすると言う発言は無かった。
だが、地上神が復活すれば・・・その時は抵抗することも無く殺されてしまう可能性が高い。
アスラの言葉が頭を過ぎる。
「・・・安心するがいい、間もなく儀式も終わる・・・私は世界の人間を幸せにするためにこの力を使うのだ、地上神とは違うのだよ」
恵理佳、そして真妃の様子を見て確信を持ったのか、甚平は余裕の笑みを取り戻しつつあった。
「・・・冗談じゃない、安心なんかするかよ」
「・・・何だと・・・?」
だが、真司だけは違っていた。
予想外の真司の言葉に険しい表情を見せる甚平。
「言った筈だ、地上神が復活したとしても倒せばいいだけだってな」
「愚か者め・・・この地に天上神は復活できぬ、それを聞いていないとは言わせぬぞ?」
どうやら甚平もあの書物を読んで今の世界には天上神は復活できないと知っていたようだ。
それ故の自信だったのだろう。
「・・・知ってるさ・・・俺達で倒してやるよ」
「世迷言を・・・本気でそう思っているのか?」
「勿論だ」
「・・・真司、お前は・・・」
即答した真司の目を見て甚平の顔色が変わる。
「・・・たった一人の人間の為に世界の人間を危険な目にあわせるというのか・・・!?」
慌てた様子で真司を説得する甚平。
「・・・じいさん、アンタは俺のことを買いかぶり過ぎだぜ・・・?」
「・・・何・・・?」
真司は溜息を吐きながら呟く。
「俺は正義の味方でも英雄でもないんだ、世界のことなんか知ったことじゃない」
「・・・貴様・・・」
甚平は忌々しく吐き捨てる。
「ただ、見える範囲で、手の届く範囲で守れるやつは命を掛けてでも守るだけだ。後のことなんてそん時考えればいいだけさ」
「・・・」
真司は言いつつ恵理佳を強引に抱き寄せる。
そしてそのまま陣の外にまで連れ出す。
「ま、待って・・・!兄さん・・・!」
「あぁ、五月蝿い五月蝿い」
じたばたと抵抗する恵理佳を無理矢理連れ出す真司。
神卸しの所為で疲弊していたのか、大した抵抗も出来ずにされるがままに陣の外にまで連れ出されてしまう。
「・・・やれやれ・・・これでとりあえずは目的は達成したわね」
真妃は完全に恵理佳が陣から出たことを確認して呟く。
恵理佳の下にあった陣の文字は今や何の反応も無く、石碑が赤く光っても何も起こりはしなくなっていた。
これによりとりあえずは甚平の目論んでいた儀式は中断させたことになる。
「・・・そうか・・・よもや世界の人間よりも恵理佳一人を取るとはな・・・」
時間経過により解かれた結界。
だが、甚平はそこから動く様子はなく、ただ独り言のように呟くだけだった。
気になるところといえば、未だに甚平に描かれた文字は赤く呼応していることだ。
甚平の様子を見る限り、儀式は失敗したことに間違いないのだが・・・
「・・・何だ・・・?」
瞬間、空洞全体が大きく揺れる。
上からは剥がれ落ちてきた岩や石が落ちてくる。
「・・・言った筈だ、制御できなくなった神の力は溢れるのみだと・・・間もなくここも崩れ落ちる」
「・・・さっさっと地上に戻るか・・・」
まるで大きい地震のような揺れが止まることなく続いている。
この様子ではそうしないうちにこの地下空洞は崩落することになるだろう。
「・・・おじい様も・・・早く・・・!」
その場から動く気配のない甚平に心配そうに声を掛ける恵理佳。
「・・・それは出来ぬ相談だ」
「・・・何を・・・」
甚平の悟ったような言葉に突っかかる真司だが・・・あることに気がつく。
甚平の袖元や足元から出血があったのだ。
その量は見る見る増えていく。
やがては顔のあちこちに小さい切り傷が次々と生まれていく。
「・・・真妃、恵理佳を連れてちょっと先に上へ向かって行ってくれ」
「・・・分かった」
「ま、真妃さん・・・!?」
真司の言葉に静かに頷いた真妃はすっかり疲弊している恵理佳の手を引いて出口へと走り出す。
恵理佳は戸惑い、抵抗しながらも真妃に手を引かれその場を離れて行く。
そして、その場には甚平と真司だけが残った。
崩落は徐々に激しくなっており、急いでここを離れなければならない。
「・・・それが、神卸し失敗の末路なのか・・・」
「・・・礼を言うぞ、恵理佳に見せたくはなかったのでな」
甚平の全身からの出血は止まることは無く、悪化する一方だった。
人柱を失いつつも、依然として神の力は甚平へ流れている。
だが、それは恵理佳の仲介なくしては制御できない力。
溢れる力は甚平の身体を内側から蝕み、傷つけていく。
「・・・じいさん、アンタ・・・」
「・・・最後に、ひとつだけいいことを教えてやろう・・・」
立っていられるのが不思議なほどの傷を全身にまといながら甚平は呟く。
「・・・地上神が復活するのは儀式開始の時間から見て恐らくは明日の正午・・・それまでに精々準備しておくのだな」
「・・・明日の正午・・・一日後か・・・」
やはり地上神復活は止める術はなかった・・・だが、最後に貴重な情報を得られた。
「・・・じゃあな、もう行くわ」
それ以上この場に居ることは危険と判断し、甚平に背中を向ける真司。
何よりも、これ以上は今の甚平を直視することは出来れば避けたかった。
「・・・恵理佳を頼む」
「・・・よく言うぜ・・・任せとけって」
背中から掛けられた周りの土砂の崩落で聞き取りづらかった甚平の言葉に、溜息を吐きながらも答える真司。
「・・・さらばだ」
「・・・あぁ」
言いつつ真司も先に向かった二人の後を追い、その場を離れた。
真司が空洞を出て間もなく、甚平は巨大な石碑と共に土砂に埋もれて行ったのだった。
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