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対魔征伐係.206「傷跡①」


「・・・兄さん、本当に平気なの?」
「・・・何度も言っているが・・・もう傷は塞がってるし大丈夫だって」
町外れの森に入ってから何度目かの同じ会話。
真司が入院してから一週間程。
傷口は塞がり、激しい運動をすれば痛みはするが開くようなことはない。
仕事にも支障は出ないと判断し、本日から再開となった。
真司をはじめ、退魔師などの一部の人間、一般人よりも霊力を有している人間は傷の治りが早い。
それは霊力の所持量と如何に自分の力を使いこなせているかによって変わってくる。
更に怪我は重傷なほど一般人との差は比例して大きくなる。
真司も郁や雪菜程ではないが、結界術も使う手前、相応の量と技術は持っていた。
その結果が人よりも余程早い退院、仕事復帰へと繋がったのだった。
「まぁ・・・唯一心配があるとすればこの代用の刀くらいなもんだ」
「・・・刀は一朝一夕で直る物ではないですし、仕方の無いことです」
「まぁなぁ」
真司のぼやきに閑流が答える。
代用の刀を何度か振っては見たが、やはり何年もの間使い続けてきた地祓と比べるとその握り心地、重さに違和感を感じてしまう。
アスラに折られた愛刀は今はマンションで留守番をしている。
そんな何時もの調子で四人は森の中を今日も妖怪探して歩いていたのだった。


・・・


「ん、居た居た」
「お・・・マジか」
何時ものように雪菜が敏感に妖怪の気配を察知する。
注意深く進むと、確かに真司たちの目の前にそれらしい姿をしたものが居た。
今回の相手は人型ではなく、獣、狼のような風体だった。
唸るような鳴き声で威嚇してくることからどうやら言葉は通じる気配はなさそうである。
口の周りには赤黒い血が付着しており、それが何の血なのかは定かでは無かったが肉を食うことは分かった。
そして場所が町外れとは言え、人里には近い。
殺すことは無いが、少なくとも痛い思いをさせて人里には二度と近づかせないようにしなくてはならない。
「よし、やるか・・・!」
真司と閑流を前衛に、何時もの調子で戦闘態勢に入る一行。
刀を抜き、構えると実戦特有の張り詰めたような空気が辺りに漂い始める。
相手もこちらの様子を威嚇しつつ伺っている。
互いが出方を伺っている、緊張する場面である。
「・・・っ、何だ・・・?」
久しぶりの実戦でこれから・・・そんな時、ふと真司は身体に違和感を覚えた。
明確には身体と言うよりは腹部に、である。
違和感を覚えてからは早いものだった。
瞬時に治った筈の腹部から痛みを感じ、体中から汗が滲む。
「・・・ッつ・・・」
思わず顔が歪む。
「真司・・・?」
隣で共に前衛を張っていた閑流がいち早く異変を察知する。
「・・・私が行きますので援護お願いします」
閑流はすぐに恵理佳と雪菜にそう言い残すと一人相手に飛び込んでいった。


・・・・・・


真司の部屋。
ベッドに寝転がる真司の姿があった。
「・・・参ったな・・・」
結局、閑流と雪菜だけで十分に何とかなった相手だった。
逃げ出す相手を追うようなことはなく、その後は散々皆から心配されてしまった真司。
だが、そんな気遣いが鬱陶しくも感じたのか、事後処理を任せ、真司は一人で先にこうして帰ってきてしまっていた。
帰ってきてからは先ほどまで感じていた腹部の痛みも治まり、今ではなんとも無い。
(・・・忘れていた筈なんだが・・・)
ベッドで仰向けになり目を瞑り、考えにふける。
あの時、ああなってしまった原因は自分自身、分かっていた。
実戦での特有の空気、アスラと対峙してから初めての空気だった。
退院し、仕事へ向かい・・・あの時までは全く頭の片隅にも無かった記憶。
忘れようとして忘れかけていた恐怖感。
だが、どんなに心で忘れようとしても身体が、深層心理で覚えていた。
思い出してしまえば身体は萎縮し、恐怖と言う見えない縄で縛られてしまい戦闘どころではない。
恐らくはこれからも私生活ではどんなに覚えていなくとも、あの空気を味わえばまた同じ目に会うだろう。
「・・・情けない話だな・・・」
自分を戒めるように呟く。
言いつつアスラにやられた時の光景を思い出すだけで傷口に違和感を覚えてしまう。
幾ら身体の傷が早く治るとは言え・・・心の傷まではそう易々と治るものではなかったのだ。


「ただいま帰りました」
「・・・おう」
一人ぼうっとベッドで寝転んでいると閑流が帰ってきた。
「・・・真司は今日の夕飯は何がいいですか?」
「・・・夕飯?何でまた俺に」
時刻は既に夕刻も過ぎ、世間一般的な夕食時間だった。
何時もならば献立は栄養のバランスも考慮し、閑流の独断と偏見で決められていた。
そのことに真司も異論はなく、寧ろ喜んで食べていたのだが・・・
真司から意見し、蹴られたことは多々あるが、こうして閑流から聞かれたことは記憶にない。
「・・・いいですから、何かありませんか?」
「・・・急に言われてもなぁ・・・寒くなってきたし・・・鍋とかか?」
真司はベッドから起き上がりつつとりあえずパッと思いついた鍋を提案した。
閑流も鍋ならば簡単に出来るし、楽が出来て喜びそうである。
「・・・鍋、ですか・・・?」
「・・・聞かれたから答えたのにその顔かよ・・・」
閑流はとても不服そうな顔をしていた。
真司としては素直に答えただけなのだが、不条理なものである。
「・・・もっと、何といいますか・・・手間のかかるというか・・・作り甲斐のあるものとかの方が・・・」
「・・・珍しいヤツだな・・・」
てっきり楽出来る方がいいと思っていた真司だが、閑流の場合は逆らしい。
料理が趣味の人間の気持ちは理解できない真司だった。
「あーそれじゃあー・・・カレー・・・いや、ハヤシライスとかでどうだ?」
「・・・ハヤシ・・・名前は見た記憶があります」
とりあえず真司の乏しい料理知識の中で好物で尚且つ面倒そうなものをチョイスした。
閑流は和食以外は得意ではない筈なので作れないと言われそうだったが。
「・・・では、夕飯の買出しに行ってきます」
「・・・ちょっと待て待て」
閑流は鞄に料理の本を詰め込んでリビングを出ようとする。
恐らくは今までハヤシライスなど作ったことはないのだろう。
何よりも今まで真司は閑流と同居を始めてから見たことがないのだから当然である。
わざわざ作ったことが無いものを今作る理由はない。
以前から洋食などは恵理佳が来る土曜日に教わっていたのだ。
その点からも今の閑流の行動には理解し難いところがあった。


「・・・もう一度聞くが・・・何でわざわざ今そんな面倒なもん・・・」
「・・・私には、これくらいしか出来ませんから」
真司の質問の言葉が終わる前に閑流は答えた。
その閑流の言葉でようやくことの理由を理解した真司。
「・・・いや、んなことはないさ」
「・・・他に何が出来ると・・・?」
真司としては当然のような言葉を投げかけたつもりだった。
だが、閑流にそう返されてしまうと何と言えばいいのか返答に困ってしまう。
真司の考えていたことは言葉にはイマイチ言い表しづらいことだった。
だが、そうこう考えていると閑流の表情はどんどん宜しくない方へと変わっていってしまう。
「あー・・・えぇと・・・アレだ・・・抱く・・・は不味いな・・・キスのひとつでもしてくれれば元気百倍だぜ?」
常日頃からそんなことばかり考えていた所為なのか、咄嗟に出てきた自分にとっての嬉しいことが全てその系統だった。
この瞬間ほど今までの自分を恥じたことはなかった。
「・・・」
「・・・いや、違うんだ」
案の定、閑流は驚いた様子で固まってしまっている。
咄嗟にフォローを入れようとするがそれもまた上手く続かない。
閑流は手に持っていた鞄をその場に置くと真司へと近づいてくる。
「・・・さっきのは、何というか、勢いみたいな・・・ッ・・・!?」
「・・・」


1p644.jpg


喋りかけの言葉は閑流の唇が軽く触れた所為で止まってしまった。
キスと呼ぶには余りにも軽く、ほんの僅かに触れた程度の口付け。
その勢いとは裏腹に恐る恐る触れてきた唇が今の閑流の心情を物語っていた気がした。
「・・・閑流、お前・・・」
「・・・買物、行ってきます」
閑流は口付けの余韻に浸るようなことはなく、すぐに踵を返すとパタパタと小走りで鞄を拾い、部屋を出て行ってしまった。
キスをされた時、気の所為か・・・閑流の添えられた手は僅かに震えていたような気がする。
「・・・はぁ・・・」
大きな溜息を吐きつつベッドへと再び寝転がる真司。
「・・・こりゃ・・・燻っている場合じゃねぇなぁ・・・」
天井へと手を伸ばし、大きく開いた掌を力強く握る。
少なくとも、閑流から貰った分くらいは頑張らなければ合わせる顔がない。
そう思い、真司はベッドから起き上がると携帯を手にしたのだった。






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シンヤ(nanpP

Author:シンヤ(nanpP
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