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【東方CG集(紅魔館編)】
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「あぁー・・・もう・・・疲れた・・・」
「・・・今ので二分ちょっとかしら・・・実戦で使うならせめて三分は欲しいところね」
どっと疲れた様子で道場の床に腰を下ろす数年前の郁。
そんな郁にまだまだと言った表情をしながら手に持ったストップウォッチのタイムを告げる郁の母親の姿があった。
「・・・あーあ・・・何でこんな眼なんて持って生まれてしまったのかしら・・・」
郁は深い溜息を吐きながら、一向に回復しない疲労感からついには大の字で寝転んでしまう。
「そんなことを言うものじゃないわよ」
「・・・だってさー・・・片目を隠さないと日常生活に支障は出るし・・・使ったら使ったでスグにこんな風になっちゃうしさー・・・」
床で寝転びながら愚痴を呟く娘を窘める母。
「・・・母さんも昔は使えてたんでしょ・・・?」
「・・・そうね、郁を産んだ時に力は貴方へとバトンパスしてしまったけれど・・・それまでは確かにあったわよ」
「・・・母さんもやっぱり今の私みたいになってたの?」
「今の貴方よりは余程マシだったけど・・・それでも何時まで経っても疲労はしていたわね」
母は昔を懐かしむように呟く。
そんな母親の言葉にげんなりせずには居られない郁。
「うぇ・・・それじゃ・・・ずっと使うたびにこんな風になるの・・・」
「・・・いえ、それは今の郁が眼の力に使わされているからよ」
思い切りやってられないと言った表情をする娘に希望の言葉を掛ける母。
「・・・使わされてるって・・・それじゃどうすれば使いこなせるって言うの?」
「・・・そうねぇ・・・それは神のみぞ知るところかしら」
郁の質問に笑いながら答える母。
「・・・ハァ・・・何よそれ・・・結局は使いこなせるかどうかは運次第ってことなのね・・・」
これまでよりも大きい溜息を吐く郁。
「・・・こればかりは言ってもどうにもならないんだけど・・・ヒントを言うなら紅蓮の眼の奥には凡字の子という文字が映っているのよ?」
「・・・凡・・・?何よ、それ・・・?」
母親の出したヒントは郁には全く意味のわからないものだった。
「知りたければ自分で調べなさい、郁の持つその眼の力は人には過ぎた力だって言うことも覚えておきなさいね」
「・・・それは・・・分かっているつもりよ」
笑顔でありながら母のその言葉は真剣なものだと受け止めた郁はしっかりと真面目に答えたのだった。
・・・・・・
「・・・凡字の子は・・・千手観音菩薩が守り本尊・・・」
「・・・千手・・・観音・・・?」
郁は母親から言われたことを思い出し、調べたこと思わず口に出す。
遥香にすれば突然の意味不明の言葉は、只でさえ理解できない状況に更なる拍車を掛ける。
「・・・その目は全てを見通し、全てを救う力を持つと言われているわ」
「・・・こんな時に・・・何の話をしているの・・・?」
郁の言葉の真意が未だに理解できない遥香は苛立ちを露にしている。
「・・・私たちの持つ紅蓮の眼は救うための力、誰かを傷つけるための力なんかじゃないって言うことよ」
「・・・何が言いたいの・・・?」
遥香も徐々に郁の言いたいことが分かってきていた。
「・・・今の私は疲労感も感じない、それどころか力が溢れてくることを感じられる・・・それが私の言いたいことよ・・・」
「・・・姉さんは・・・本当に私を苛立たせるのが上手いわね・・・」
落ち着き払った郁とは対照的に遥香の苛立ちは限界にまで来ていた。
「ふざけないで!私はもうこの力を使いこなせているわ!!今の姉さんなんて只のハッタリよ!!」
言うが早いか、遥香は郁へと向かっていった。
「・・・遥香にも分かっている筈よ、同じ眼を持つものとして・・・私は貴方を救ってみせる」
「五月蝿いッ!!五月蝿いッ!!!」
遥香は怒涛の攻勢を見せるが、郁はそれらを全て紙一重で避けていく。
お互いに紅蓮の眼を使っていても疲弊しない以上は、後は純粋な体技、精神の差だった。
だが、今の遥香には精神的な余裕など微塵もない。
突然の姉の変貌に、同じ力を持つもの故に感じる決定的な違い。
そして姉の言葉・・・それらが遥香の心の余裕を完全に奪っていた。
がむしゃらに攻め続ける遥香は既に後攻め有利と言う基本的なことさえ忘れていた。
全ての攻撃を避け続ける郁だが、一向に手を出そうとはしない。
「ッ・・・そんなッ!!避け続けて・・・!余裕だとでも言いたいのかしら!?」
「・・・遥香・・・」
遥香も紅蓮の眼を持つものとは言え、人間である。
全力でがむしゃらに暴れるように攻め続けていればスタミナも長くは続かない。
それが防がれるわけではなく、全て避け続けられていれば尚更である。
「・・・ッ!?くッ・・・」
「・・・」
そして、遥香の一瞬の隙を突き、背後へと回ると片腕を取って遥香の自由を奪う。
警察官などが犯人に対して決める極め技の一種だ。
こうなってしまうと基本的には勝負は決したようなものだった。
「・・・まさか、これで私が負けを認めるなんて思ってないわよね・・・?」
「・・・」
遥香自信もそれは分かっていながらも笑いながら叫ぶ。
「腕を折られたくらいじゃ私は諦めないわよ・・・!!」
「・・・遥香・・・」
今の郁は腕に力はさほど入れておらず、あくまでも遥香の動きを制しているだけだ。
だが、並の人間ならば痛さで固まるところを遥香は強引に抜けようとする。
それだけでも相応の痛みは感じている筈なのだが、これ以上続けると・・・
そう思った瞬間、郁はその手を離していた。
「はるちゃーん!」
「・・・ネクシブ・・・?」
呼吸を整えながら取られていた腕を確認していた遥香の耳にネクシブの声が入る。
「今回は想定外のことが起きちゃったし、一端引いた方がいいよ」
「・・・そう、ね・・・」
空から舞い降りてきたネクシブに促される形で遥香は郁から離れて行く。
郁はネクシブにも遥香にも攻撃をしようとはしなかった。
「・・・さようなら、姉さん」
「・・・遥香、貴方・・・」
最後にそう呟いた遥香はネクシブと共に夜の闇夜へと消えていった。
今まではことあるごとに、次はと言っていた遥香。
今回の別れ際の言葉に郁は不安と僅かな期待をしていた。
(・・・やることが・・・増えたわね・・・)
郁は遥香の心配が若干和らいだと共に、遥香を操っていたものを探し当てると言う大きな目的が出来た。
明日からは目的は変わるがやはり穏やかな日々は過ごせそうもないと痛感するのだった。
「・・・その前に・・・明日は楽しもうかしらね・・・」
様々な感情や考えが頭を過ぎるが・・・とりあえずは明日のデートは何処へ行こうかと笑顔で考え始める郁。
そんな郁の元へと真司達が駆けつけた時には郁の左目は元の青色へと戻っていたのだった。
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