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【東方CG集(紅魔館編)】
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放課後の図書室。
バイトが無いときの恒例行事になりつつある図書室への寄り道を今日も今日とて行う真司。
とは言っても、バイトがない日は週にニ、三日程度しかないので、そこまで頻繁に足繁く通っているわけでもないのだが。
今となってはほぼ日時指定になっている訪問なので、待っている霧月の方も反応が早くて助かっている。
「お久しぶりです」
「あぁ、って言っても数日ぶりくらいだけどさ」
「･･･それだけ空いたら久しぶりですよ」
「･･･マジで･･･？」
数日前に会ったので真司としては久しい感覚などは全く無かったのだが･･･
霧月に言わせれば十分に久しぶりと言えるらしい。
そんな挨拶をしつつとりあえずはいつもの席に腰を下ろす。
霧月もまた何時ものように真司の対面に静かに座った。
「偶にはここでまったり喋りながら過ごすかぁ･･･」
「･･･え？」
真司の思いがけない発言に思わず声を漏らす霧月。
「ん･･･？アレだったら移動してもいいけど」
「あ、いえ･･･そういうわけではないんです･･･」
不思議そうな顔をする真司に慌てて説明をする霧月。
「･･･まぁ、毎回毎回、会うたびに･･･ってのもアレだしな、偶にはのんびりしたい時もあるもんさ」
「･･･そう、ですね」
真司は霧月と会う前に決めていたことがある。
ここ最近は会うたびに抱いていたことをふと思い起こしたのだ。
前回は勢い余って場所も構わず行動してしまった。
流石の真司もそこら辺は考えるべきところであり、今回はこうしてゆっくりと会話でも楽しもうと思ったのだ。
･･････
学校での話を中心に取り留めのない会話をすることしばらく･･･
会話のキリがいいところで、真司は前々から思っていたことを思い出す。
「･･･あ、そうだ」
「･･･？」
突然何か思い出した様子の真司を首をかしげて見つめる霧月。
「前々から思ってたんだが･･･霧月ちゃんの眼鏡取ったところ。見て見たいなと」
「眼鏡･･･ですか･･･？」
思いがけない真司からの要望に驚いた様子の霧月。
「そうそう、今まで一度も見たことなかったし、どんな感じなのかなってさ」
「･･･別に、そんな変わりませんよ･･･？」
霧月としては何故そんなものが見たいのか理解出来ないと言った表情をしている。
「それじゃ、是非」
「･･･はい、分かりました･･･」
真司の妙に熱烈な要望に押される形で自ら眼鏡を外す霧月。
「･･･こんな･･･感じですけど･･･」
普段ならば眼鏡を取ることくらい、何でもないのだが･･･
相手からこうも要望されると変に意識してしまい、妙に照れくさくなってしまう。
「おぉー･･･やっぱり眼鏡取っても可愛いな」
「･･･ありがとうございます」
予想通りと言ったところで、真司は笑顔で褒める。
その分かりやすいほどに本心からの褒め言葉に更に照れる度合いが増す霧月。
そしてそんな恥らっている様子の霧月を見て真司は思った。
「･･････今からー･･･家に･･･」
先ほど言った言葉を撤回しそうになる真司だが、頑張って言葉を途中で濁す。
「･･･はい、いいですよ」
「･･･マジで？」
「はい」
慈悲の目とも、呆れるような目とも分からない表情の霧月の言葉に歓喜する真司。
「んじゃ、早速行くかぁー！」
「はい」
足取り軽く帰路へつく真司の横に霧月もしっかりと着いて行くのだった。
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