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試験的なイラストぶろぐ
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対魔征伐係.144「もう一人のオッドアイ④」


既に後数時間で明け方になろうとしている時刻。
学校があるにも関わらず、状況が状況だけに真司達は郁の車で郁と雪菜の住むマンションまでやってきていた。
「・・・他所の家庭の事情に口出しをするようなことは余りしたくはないが・・・」
傷の手当てを終えた三人はそれぞれソファーや椅子に座りながら郁の方へ視線を向けている。
話をすること自体気が引けるような重苦しい空気の中、真司が口を開いた。
「今回は状況が状況だけに・・・最低限のことだけでも・・・」
「・・・えぇ、分かっているわ」
流石の真司も言葉を選びつつ慎重に会話をしていく。
質問に答える郁は口ごもったり、黙ったりはせず、普段どおりに対応する。
恵理佳と雪菜はやはり遥香と郁の関係性を気にしてか、二人の会話を大人しく聞いている。
「・・・まず・・・最初に確認しておきたいんだが・・・あいつは・・・師匠の妹でいいんだよな・・・?」
「・・・えぇ、朝比奈遥香・・・正真正銘、私の妹よ」
普段は滅多に見ることは出来ない郁の真剣な顔に視線を向けたまま、ゆっくりと質問内容を考える真司。


「聞きたいことはコレだけなんだが・・・何故実の妹であるあいつが師匠を襲ってきたんだ・・・?」
「それは・・・あの子は昔から私に対しての対抗心が強くてね・・・」
郁は昔のことを思い出すように目を瞑りながら呟く。
兄弟や姉妹は何かにつけて比較されるものだ。
人それぞれではあるが、それを負い目に感じてしまう者も居れば、負けるものかと対抗心を燃やす者も居る。
遥香は完全に後者だった。
だが、ただそれだけの理由で襲ってくるような人間が居るとは考えにくい。
「・・・本当は私は係の仕事ではなく、家の後を継ぐ筈だったのよ」
「・・・家を・・・?」
郁もそれだけで話を終わらせる気はなく、より深い話を呟いていく。
「妹の遥香が生まれた時点で、両親は私と遥香。どちらに継がせるかを考え始めたわ」
「・・・」
どうやら全ての原因は御家の事情に関係するようだ。
「私のほうが年上だから、それで実力を比べるのはフェアじゃないし・・・両親は二人の素質を見て、成長過程を見て決めることにした」
郁の過去の話が呟かれていく。
三人は余計な口出しも出来ず、黙って聞くことしか出来ない。
「私と遥香は両親に特訓を受けて、修行の日々を過ごしていた。私も遥香も・・・上達することが楽しかったし、両親に褒められることが嬉しかったのよ。
そして遥香は持って生まれた負けん気の強さも手伝って、年齢の差を感じさせないほどに私との実力差は肉薄していった。
私が高校に入る頃には、実力差はあってないようなものにまでなっていたわ」
郁は時折昔の楽しかった記憶をふと思い出してか笑顔になるときもあった。
「だけど・・・その時点で決定的な違いが私と遥香にはあった・・・」
「・・・違い・・・?」
一段と表情を曇らせる郁に声を掛けずにいられなかった。
「・・・私はその時に既にこの右目の力を持っていた・・・無論、今なんかよりも全然使いこなせていなかったけど」
「・・・」
「だけど・・・遥香はその時・・・左目の力をどうと言う以前に・・・発現すらしていなかったのよ」


1p569.jpg


「・・・な!?」
真司は思わず驚嘆の声をあげる。
先ほど、圧倒的な強さを見せた遥香は確かに思う存分左目の力を使いこなしていたからだ。
「・・・勿論、両親はあらゆる手段を講じてその時まで何とか力を開花させようと頑張っていたわ」
「・・・」
「だけど、遥香の力が開花する事は無く・・・その時を境に両親は私の方に修行の重点を置くようになっていった・・・
口では言ってなかったけど、その時点で両親の中では後継ぎはどちらにするか、決まっていたのかもしれないわね」
「・・・」
三人はただ黙って聞くだけだが、徐々に二人の背景が理解出来てきた。
「遥香はそんな雰囲気に気がついたのかは分からないけど・・・それからはより厳しく、激しい特訓を積んで行ったわ。
そして・・・三年前のある日・・・」
「・・・三年前・・・」
郁と遥香が再会した時に聞こえた単語だった。
「高校卒業を控えた私は両親の前で遥香と真剣勝負をすることになった・・・無論、後継ぎを決めるための素材のひとつとしてね」
「・・・」
「その時の二人の実力はどちらも勝るとも劣らない、本当に差は無かった」
「・・・・・・」
郁の話を聞いている真司の頭の中には徐々に何と言えない嫌な予感が芽生え始めていた。
「・・・そんな時・・・私に父が言ったのよ・・・どうして右目を使わないのかってね」
「・・・」
「私自身、疲れるし好んで使いたく無かったっていうのもあったけど・・・
何よりもそれで試合をしてもフェアじゃないからその時まで一度たりとも遥香相手に使ったことはなかったわ・・・
だけど、そう言われてしまっては逆らえなかった私は言いつけどおり、右目を使って遥香との試合を再開させた・・・」
「・・・結果は・・・」
聞きたくは無い質問だったが、その場の沈黙に耐えられずに聞いてしまう。
「・・・言うに及ばず・・・考えている通りの結果だったわよ」
「・・・そう、か・・・」
その時の遥香の気持ちを考えるとなんとも言えない気持ちになってしまう。
「・・・それからと言うもの・・・遥香は酷く落ち込んじゃってね・・・私とも口を聞いてくれなくなっちゃったし・・・」
「・・・」
「元々、私は家を継ぎたいとは思っていなかったし、両親の言いつけで・・・それじゃあ・・・そんな気持ちだった。
だから私は両親に後継ぎは遥香にしてもらう様に頼んで、係の仕事に就くべく、家を出たのよ」
「・・・なるほどな・・・」
二人の経緯を大まかに把握した真司。
だが、それでも納得できない部分がある。
「・・・でもさ、師匠の師匠でもある、両親が手を尽くしても開花させられなかった妹の力を・・・誰が・・・」
「・・・それは、私も気にしていたことだけど・・・たった三年で発現し、あそこまで長時間維持出来るようになるとは考えられないわ。
それに・・・気になることがもうひとつ・・・」
郁はその表情をいっそう険しくして、言葉を紡ぐ。
「あの子は対抗心こそあっても、私に対して敵意を向けたり、殺意を向けたりはしなかった筈なのに・・・」
「・・・それは・・・」
あの時、遥香が去る間際。
確かにあの時の遥香は郁を殺そうとしていた。
「・・・色々と、気になることがあるから・・・これからは私のほうで調べていくことにするわ」
「・・・あぁ、俺たちも手伝えることがあれば・・・」
「いえ、気持ちだけ貰っておくわ・・・これからは放課後の修行はちょっと厳しそうね」
「・・・いや、自主トレでもするし、ちゃんと仕事もこなしていくさ」
師匠に心配を掛けまいと、笑顔で答える真司。
「・・・そう、出来た弟子で安心したわ」
郁も何時もの笑顔で答える。
話もひとだんらくしたところで時計を見ると既に後数時間で登校時間だった。
「っと・・・それじゃあ急いで二人を送っていかなくちゃね」
「いや、俺は歩いて帰るから恵理佳だけでいいさ」
真司は色々と考え事をする意味も込めて、家まで歩いて帰ることにした。
(・・・術・・・昔からの術・・・妖怪・・・?・・・それとも・・・)
遥香に力を与えたもの。
色々と考えをめぐらす真司だが、そこに可能性のひとつとして、最近人間に近づいている災忌が挙がる。
(・・・考え過ぎか・・・)
真司は重い頭で様々な考え事をしながら帰路に着いたのだった。


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シンヤ(nanpP

Author:シンヤ(nanpP
・東方では始めて会った時からレミリア一筋。
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