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対魔征伐係.143「もう一人のオッドアイ③」


「どれだけこの日を待ち望んでいたことか・・・」
「・・・」
郁と遥香はゆっくりと歩み寄り、その距離を縮めていく。
既に郁も右目に掛かっていた髪は上げて臨戦態勢になっている。
真司達は二人の関係性もあって、下手な横槍は入れられないでいた。
体力を回復させつつ様子を見守るしかない現状だった。
二人は遂に手を伸ばせば届く距離にまで近づいた。
だが・・・三人の予想に反して二人は見詰め合ったまま動こうとはしない。
だからと言って久しぶりの姉妹の再会を喜んでいるようにも見えない。
雰囲気は相変わらず一触即発である。
互いに出方を伺っているように見える。


「・・・ねぇねぇ」
「・・・どうした?」
真司の背中越しに雪菜の声が掛けられる。
郁達から目を離すわけにはいかなかったので言葉だけで返事をする。
「あの郁の妹って・・・郁と同じような目の力持ってたよね・・・?}
「・・・あぁ、多分・・・間違いないとは思うが・・・」
そうでなければ突然あれほどまで圧倒的な差で完封されたことに説明がつかない。
二人が姉妹ならば同じ力を持っていても何ら不思議はない。
「お互いに同じような先が見える力あったら・・・どうなるんだろう・・・?」
雪菜の質問は最もな内容だった。
「・・・どうって・・・プラマイでゼロにでもなるんじゃないか・・・?」
流石に真司もそんなことは考えたことも無かったので適当な憶測で答える。
「・・・多分、だけど・・・後出し有利になるんじゃないかな?」
「・・・後出し?」
真司と雪菜の疑問に自信がなさそうにではあるが恵理佳が答える。
やはり恵理佳の方へ集中するわけにも行かないので目線は変わらず郁達に向けたまま話を進める。


「うん、私も実際に体験したわけでもないし聞いたわけでもないから憶測にしか過ぎないんだけど・・・」
「・・・どういうことだ?」
結論だけ聞いても訳が分からないので詳しく聞いてみる。
「えぇと・・・未来は決まったひとつの道筋しかないわけじゃないって言うか・・・」
「・・・んん・・・?」
断片的に言われてもより困惑しそうな内容である。
「少しだけ先だと分かりづらいから・・・仮に自分が十秒くらい先の未来が見えるとして・・・」
「おう」
恵理佳の言うとおり、自分が十秒先の未来が見えると仮定する真司と雪菜。
「目の前からボールが飛んできたとする」
「おう」
「当然、先が見えているから・・・片方の視界ではボールの軌道までしっかりと先読みできてるよね?」
「あぁ」
「見えているのだから防ぐか避けるか・・・何らかの対応をした未来の映像が続いているとして・・・」
恵理佳の言葉を聞きながら言われたことを頭の中に思い描く。
「だけどそこで・・・敢えて分かっていながらボールを顔に当てたとすると・・・」
「おお・・・?」
「そう決めた、実行に移した時点でさっきまで見えていた未来は虚偽になって、当ったときの十秒後が映し出されると思うの」
「おう・・・?」
段々、話の内容が理解しがたくなってきた。
「つまり・・・未来は決まったひとつの結果だけではなく・・・その時の自分の心身の状態によって、その時下した判断によって先の未来がどのようなものになるかが決まると思うの」
「・・・えぇと・・・つまり、分かりやすく言うと・・・?}
雪菜は既に理解しようとすることを諦めている。
真司は何とか頑張っているが、既にいっぱいいっぱいの様子だ。
「うぅん・・・今の状態であの二人が全く同じ先の未来を見えているとしたら・・・どちらかが必ず先手を打つよね?」
「・・・まぁ、そうしないと延々あのままだからな」
「先手を打った方がそう決めた時点で、相手には先手側がどんな攻撃をしてくるか読まれているわけじゃない?」
「まぁ・・・そうだな」
「だけど・・・逆に言えば・・・先手側にもそう決めた、行動に移した時点で相手がどういった防ぎ方をするかが分かっている」
「・・・だな」
「だから分かった時点で瞬時に相手の防ぎ方に対応した攻め手に変えればいいんだけど・・・」
「・・・狐と狸の化かし合いだな・・・」
ややこしくなってきた話の真司なりの感想を呟く。
「うん、兄さんの言うとおりなんだけど・・・でも、どれだけ先が読めても動きは人間だから・・・」
「・・・なるほど・・・先手の隙に受け側が攻撃するが・・・その受け側の攻撃の隙にと・・・そう考えていくと基本的には後攻め有利になるのか」
ここに来てようやく恵理佳が最初に言っていた言葉が理解できた。
「えぇ・・・と・・・つまり・・・どういうこと?」
一人だけ理解していない雪菜は面倒なのでとりあえず放って置くことにした。


「・・・ん・・・?」
しばらく真面目に頭を動かしていた真司の目の前で郁と遥香に動きがあった。
先手を切って郁が果敢に攻めている光景が目に入る。
「・・・師匠があそこまで攻めに徹しているのは珍しいな・・・」
普段はその右目の力を生かして、カウンター主体の戦闘形態を取る郁。
だが、今の郁からはそんな雰囲気は微塵も感じられず、四肢をフルに使って猛然と攻め立てている。


「ふふ・・・流石は姉さんね・・・読まれていることを承知の上でのコンパクトな打撃かしら?」
「・・・」
笑顔で郁の攻撃を避ける遥香の挑発に乗ることはなく、ただその攻め手をより激しくさせる郁。
「だけど・・・どれだけ頑張っても・・・隙を抑えても・・・先出し厳禁よ?」
「・・・っ!!」
隙を最小限に抑えた四肢を使った連打の僅かな、針に糸を通すような隙を的確に突いてくる遥香。
今まで思う存分蓄えていた力を込めた痛烈な遥香の膝蹴りが郁の腹部にめり込む。
僅かながら刃物を装備した両腕に意識が行っていたことが原因だった。
「・・・っは・・・く・・・!」
咳き込むように大きく肩で呼吸をしながら膝を突く郁。
その汗に滲んだ顔は膝蹴りのダメージによる苦痛ではなかった。
「あらあら・・・もうスタミナ切れ・・・?」
「・・・くっ・・・」
片膝を着きながら右目を手で覆う郁。
ダメージではなく、右目の力を使い続けたことによる疲労が限界近くまで蓄積されていた。
「もう・・・そんな風になるならもっと早く攻め始めれば良かったのにね・・・?」
「・・・よく、言うわ・・・」
先手が不利なことは重々承知していた郁。
だが、時間を掛ければこうなることも分かっていた。
「あっけないけど・・・これで私は姉さんよりも優れていることを証明出来る・・・」
「・・・その前に・・・ひとつだけ聞かせてもらっていいかしら・・・?」
最早戦う力も残っていない郁は最後の頼みと質問を願い出る。
「質問・・・?すぐに口も聞けなくなっちゃうし・・・いいわよ?久しぶりの姉妹の会話でもしましょうか」
「・・・なら・・・」
笑顔で姉を見下す妹に郁はどうしても気になっていたことを質問する。
「三年前の遥香は・・・持続はおろか、左目の力が発現すらしていなかった筈・・・」
過去の、三年前の光景を思い出しながら郁は話し続ける。
「それが・・・この三年間で・・・何があったのか・・・是非とも教えてほしいわね・・・」
遥香は郁が来る前から既に左目の力は解放していた。
それが後から解放した郁がこうして満足に立っていることも出来ないというのに・・・
遥香は今も全く呼吸ひとつ乱さず、平然と目の前に立っている。
才能の違い、資質の違いと言う可能性もあるが・・・遥香のことは当然のように生まれたときから知っている郁。
その可能性は高くは無い。
「ふふ・・・羨ましいでしょ?不思議でしょ・・・?」
遥香はその笑顔を更に強くし、誇らしげに笑う。
「私は持っていた素質を見込まれてあの方に開花させて貰ったのよ!」
「・・・あの方・・・?」
「そう・・・今では私は力を使えば使うほど身体は軽く、身体のそこから力が沸いて来るの!どう?素晴らしいでしょ!?」
「・・・そんなことが・・・」
恍惚とした顔で笑う遥香を困惑した顔で見上げる郁。
「姉さんみたいな出来損ないなんかじゃないの!私こそが正統な朝比奈家の後継ぎになるべき器なのよ!!」
深夜の公園に響き渡る遥香の笑い声。
その声は心底嬉しそうだった。
そして、その笑い声がピタリと止んだ。
「・・・そのために・・・証明させて貰うわ・・・姉さん」
「・・・遥香・・・」
遥香はゆっくりと右手を夜空に掲げる。
郁は未だに疲労が抜けておらず、満足に動くことも出来そうに無い。


「・・・っち・・・行くぞ!!」
いよいよ余裕がない雰囲気に感づいた真司は二人を連れて郁達の元へ駆け寄ろうとする。
その時・・・
「ま、待って・・・あの子・・・」
「・・・?」
上体を起こし、いざ・・・そんな真司を雪菜が制する。
雪菜に言われて遥香を見ると・・・手を掲げたまま動く気配はない。


「・・・遥香・・・?」
目の前で様子を見ていた郁も気がついたのか、妹の異変はいよいよ如実に現れる。
「・・・っク・・・あぁあ”ああぁぁあぁあ・・・ッ!!!」


1p568.jpg


今度は公園中に遥香の苦悶の叫び声が木霊した。
人間のそれとは思えないほどの、心底苦しそうな声だった。
先ほどまでの余裕は一変し、脂汗を滲ませ、顔は苦痛でゆがんでいる。
郁はそこで明らかな変化を見つける。
「遥香・・・その顔・・・」
遥香の左目の周りにあった模様がより大きく、増殖していた。
そして遥香はそんな左目を力の限り手で抑え付けていた。
「・・・ハァッ・・・はッ・・・ふふ・・・楽しみは・・・また・・・次回までお預けね・・・」
そう言い残すと遥香は覚束無い足取りで夜の闇夜へ消えていった。
今の郁にはそんな遥香を追うような体力も気力も残っていなかった。



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Author:シンヤ(nanpP
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