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試験的なイラストぶろぐ
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対魔征伐係.115「昼寝と昼休み」


「・・・疲れた」
昼休み。
何時ものように定位置を陣取っていた霧月と陽那の元に恵理佳が疲弊した顔で戻ってきた。
両手には購買部で購入した品々が持たれている。
本来ならばじゃんけんなりで三人のうち誰か一人が行くか、週によっては日替わりで購買部まで買出しに行くのだが・・・
今週は先日の恵理佳と陽那の勝負の結果により、恵理佳が行くことになっていたのだった。
「お帰り」
「お疲れ~」
二人は頼んでいた物をそれぞれ受け取ると、恵理佳の労を労う。
辛かった今週も今日で終わりを迎えるので、来週からはまた違った手法で選抜者が決められることだろう。


「・・・ん?」
面子も揃ったところで昼食を・・・そう思った矢先、三人の耳元に携帯の着信音が入って来た。
だが辺りには三人以外は誰も見当たらない。
陽那は音がする方向、上を見てみる。
するとハシゴがあり、少し上まで昇れる様な場所があった。
給水塔のような物があると想像できる。
「・・・ちょっと、待ってて・・・?」
「ん・・・?どうした~?」
「・・・?」
音を聞いた恵理佳は二人に言い残し、音のするほうへとハシゴを昇っていく。
二人は不思議そうにしながらもとりあえず様子を見ている。
「・・・やっぱり・・・」
ハシゴを昇った先には見覚えのある人影が横になっていた。
先ほどの着信音に恵理佳は聞き覚えがあったのだ。
もしやと思い、様子を見に着てみれば予想通り、そこには夏の炎天下の中、熟睡している従兄妹の姿があったのだった。


・・・・・・


(・・・暑いな・・・暑い・・・腹減ったなぁ・・・)
まどろむ頭に猛烈な暑さと空腹が介入してくる。
おかげで徐々に眠気という名の靄が晴れていくのが手に取るように分かった。
「・・・さん、・・・て・・・」
(・・・んー・・・?)
誰かに呼ばれている気がする。
覚め掛けていた意識がはっきりとしてきた。
「・・・おはよう」
「・・・おう」


1p537.jpg


目が覚めると目の前には見知った少女が見下ろしていた。
先ほどまで呼んでいたのは恵理佳だったようだ。
「・・・さっき、携帯鳴ってなかったか・・・?」
「・・・鳴ってたよ・・・雪菜ちゃんからだと思うけど」
「あー・・・やはりか・・・」
真司はぼやける頭を振りながら身体を起こす。
ポケットに突っ込んであった携帯を見ると確かに雪菜からの着信があったようだ。
おまけにメールまで来ていた。
「・・・」
寝惚けた目でメールを眺めるとそれは凌空からのメールだった。
「・・・先に・・・食ってる・・・って・・・今は昼休みか!?」
「・・・兄さん・・・また授業サボったでしょ・・・?」
驚愕の顔をする真司に冷ややかな視線を突き立てる恵理佳。
先ほどの熟睡振りを見る限り、いったい何時からここに居たのだろうか。
「・・・いや、まぁ・・・体調が宜しくなくてな?」
「・・・購買・・・今じゃもうあまり残ってないと思うよ・・・?」
言い訳をする真司を華麗にスルーして、悲しい報告をする恵理佳。
何時も昼食は購買頼りだった真司にとっては死活問題だった。
「・・・マジですか・・・」
「・・・流石に何も残ってはいない、とは言わないけど・・・」
そう、購買部の商品は学生同士の争いの場である。
売れ筋の商品などは昼休み開始数分で無くなってしまうのだ。
昼休みになってだいぶ経つこの時間・・・
完売こそしては居ないが、おおよそ余っている品々は想像がつく。
それは真司にしてみれば何も無いよりはマシではあるが、完売とほぼ同義だった。
「・・・コンビニ行くか・・・」
「放課後までは敷地内から出ちゃダメなんだよ・・・一応」
「・・・まぁ、面倒ではあるなぁ・・・」
学校近くのコンビニまで行こうとも考えたが、面倒くさがりの上、寝起きの真司。
とてもではないが、行動する気にはなれなかった。
だが・・・
「・・・背に腹は変えられんか・・・」
空腹は容赦なく押し寄せてくる。
仕方なく行動に移そうかと思った時だった。
「・・・少しで良いなら私のお弁当分けてあげるけど・・・」
「よし、じゃあそれで」
真司は待ってましたと言わんばかりに即答で承諾する。
「・・・・・・」
「んじゃ、腹も減ったし早く行こうぜ」
驚きと呆れで言葉を失っている恵理佳を急かし、下へと降りる真司。
「・・・まったく・・・」
軽い溜息を吐くと真司の後を追い、二人の待つ場所へと戻る恵理佳だった。




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