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【東方CG集(紅魔館編)】
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久しぶりの模擬戦闘を行った真司は、敗者のペナルティとしてバイト先のファミレスへ来ていた。
勝者である郁に食事を奢るためだ。
真司が奢ることも恒例になっていたが、郁がスィーツを頼むのをまた恒例となっていた。
「･･･相変わらず良く食うな･･･」
「運動したら小腹が減るのは当然でじゃない」
真司の対面でこれまた恒例のジャンボパフェをどんどん食べ進めていく郁。
普通は小腹が空いたからと言って甘いものには行かないだろう。とは言いたくても言えなかった。
「･･･あぁ、そうだ」
「･･･んー？」
その代わりに、久しぶりにこうしてゆっくりと涼しい場所で話せる機会が来たので聞いてみたいことがあった真司は質問をすることにした。
「あの二人ってずっとこの町に居るのか？」
「･･･あのって言うと･･･真妃と葵のことかしら？」
真司は軽く頷き肯定する。
夏休みも終わり、新学期に入り･･･二人は転入生として学校にやってきた。
災忌の異常出現の所為でこの町に助っ人としてやってきた二人。
まだ正式にはこの町の係としては任命されていない筈である。
ならば遅かれ早かれまた元の地域に戻るのだろう。
それが何時頃になるのかが気になっていた。
「どうかしらねぇ･･･とりあえずまだ戻る時期なんかについては一切耳には入って来てないけど」
「なるほど･･･」
となると、しばらくはこの町に居座ることになりそうである。
真司は嫌がる素振りも嬉しがる素振りも見せなかった。
「もしかして、ずっと居て欲しいのかしら？」
「･･･仕事の面では楽になるからな･･･そうだが･･･師匠の考えているような理由じゃあないぞ」
何か閃いた郁は笑顔で真司に質問をしてくる。
「そう？二人とも仕事は出来るし、良い子だと思うけど？」
「･･･葵さんに至っては大いに賛同するが･･･片割れの捻くれ女にはさっさっと帰って欲しいもんだ･･･」
質問を返す真司は郁とは対照的にドライだった。
「真妃のこと？でもあの子は昔･･･」
郁が途中まで言いかけた時、店内に携帯の着信音が鳴った。
思わずハッとする真司だが、聞き覚えのないメロディーで、自分のものではないことにすぐに気がつく。
「あ、ちょっとメール」
「おう」
どうやら郁の携帯だったらしく、言いつつバックから携帯を取り出す。
携帯を開くと手馴れた手つきでメールの返事を打ち込んでいく。
「･･･凌空からか？」
「ん？良く分かったわね？その通りよ」
何となく思い浮かんだ凌空の名前を考えなしに呟いてみたが、まさか本当に凌空からだとは真司自身も軽く驚いてしまう。
「やっぱり一日何度も来るのか」
「そんなことないわね、毎日は来るけど」
どうやら毎日送ってはいるが、何度も何度も送るようなことはしていないようだ。
凌空の性格からして、意味のない内容やどうでもいい内容を何度も送りつけるようなことをするとは思えない。
ある意味、凌空の性格どおりだった。
「･･･で、どうなのさ？」
「んー･･･？どうって言うと？」
親友として、やはり進展具合が気になるのは仕方の無いところだ。
「進展具合は」
「進展も何も･･･まだまだお友達って感じだしねぇ･･･どうなるかは今後の青砥如何じゃないかしら？」
やはり郁の掲げる自分よりも強いという条件を満たしていないためか、まだまだ恋仲にはなれていないようだ。
だが、友達にすらなりたくてもなれない男も居ることだろう。
（･･･可能性があるだけマシか･･･）
ここはプラス思考で考えて、今後も二人の仲を近づかせるよう頑張ろうと思う真司だった。
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