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【東方CG集(紅魔館編)】
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（･･･しまったな･･･）
放課後の図書室。
真司と霧月が向かい合って座っている。
見慣れた風景だが、少し雰囲気が違っていた。
（･･･考え無しで変なこと聞くものじゃないなぁ･･･）
真司は口は災いの元という格言、口の軽さを痛感していた。
霧月に意中の男は居るのかと聞いてから何とも言えない微妙な雰囲気になってしまったのだ。
元々霧月は口数が少ないのだが、その発する雰囲気が何時もと微妙に違ってしまった。
おかげで気後れした真司は何時ものように気軽に話しかけられずに居た。
その結果、度々何とも言えない無言の時間が訪れていた。
「･･･あー･･･今日はそろそろ帰るわ、またな？」
このまま居ても気まずいだけだと判断した真司は今日のところは撤収することにした。
「･･･あ･･･」
「･･･ん？」
席を立ち、小部屋から出ようとしたところで背中から霧月の声が聞こえた気がした。
「･･･いえ、何でもありません」
「そうか･･･？それじゃあ･･･また放課後にでも」
「はい」
そう言うと真司は扉を開け、部屋を出て行った。
また一人に戻った霧月は机に向かう。
「･･･ふぅ･･･」
軽く溜息を吐く。
今日やるべき委員の仕事はほとんど手もつけていない。
その気になればすぐにでも片付けられる量なのだが･･･
その気になれないでいた。
目の前に置いてある本を見つけてからというもの気になってしまい頭から離れなくなっていたのだ。
先ほどは危うくばれそうになってしまったが、何とか気づかれずに済んだ。
いや、ある意味気づかれて欲しかったのかも知れないが。
（･･･意外に･･･鈍い･･･）
心臓に溜まったもやもやを深いため息で押し出す霧月。
机に突っ伏すように両腕を組み、その腕を枕代わりに顎を乗せる。
目と鼻の先にはあの本がある。
「･･････」
しばらくぼーっとしながらその本の表紙を眺めていた霧月。
適当にページをぺらぺらと指でめくっていく。
「･････････」
それぞれのページには相性の結果や改善策やアドバイスなどが書かれている。
後は自分と相手の情報で合致するページを探すだけだ。
「･･･あ」
思わず声が漏れる。
（血液型･･･知らなかった･･･）
名前と生年月日は記憶している。
だが、流石に血液型までは知りえていない。
（･･･Ｂ型っぽいけど･･･）
勝手に性格や言動から推測してみた。
あのいい加減で能天気な性格はＢ型ではないのだろうか。
少なくともＡ型ではないと思った。
（･･･明日、恵理佳にでも聞いてみよう･･･）
流石に今日の明日で本人に聞けるわけがない。
何とか上手く誤魔化しつつ恵理佳に聞いてみることにした。
（･･･何考えてるんだろう･･･）
ここ最近はずっと同じようなことばかり考えている。
夏休み前はそんなことはなかったのだが･･･
夏休みに入り、滅多に会えなくなってからその頻度は増したような気がする。
「･･･はぁ･･･」
またもや身体に溜まったもやもやを大きく深いため息で身体の外へ押し出す霧月。
「･･･仕事、しなくちゃ･･･」
自分に言い聞かせるようにして霧月はのっそりと席を立った。
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