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【東方CG集(紅魔館編)】
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郁が閑流の協力を得て遥香を退けた翌日。
土野市内にあるビジネスホテルの一室に遥香は居た。
色こそマシになって来ていたが、未だにその太股付近は鈍い痛みを伴っていた。
「･･････」
部屋の大半を占めるシングルベッドに腰掛け、窓から見える景色をぼうっと眺めている遥香。
そんな時、部屋の扉が開く。
静かな室内にその音は響いている筈だが、遥香は微動だにしない。
室内には一人の少女が入って来た。
その金髪の少女は部屋に入ってくるなり、遥香の元へとベッドに倒れこむような形で抱きついた。
「は～るちゃ～ん♪」
「･･･だから･･･その呼び方は止めてって言ったでしょ･･･」
無邪気な笑顔で遥香にべったりとくっ付く少女を邪険に扱う遥香。
「･･･ん～･･･？その不機嫌そうな感じからするとー･･･もしかしてお姉さんとは上手くいかなかったぽい？」
「･･･もしかしても何も･･･邪魔が入っちゃってね」
遥香は淡々と話しつつ、軽い溜息を吐く。
「邪魔って言うとー･･･前に言ってたここら辺で活動している退魔師の連中？」
「･･･そうだけど･･･その中でも見たことのない子供が居てね」
少女は依然として遥香に頬擦りが出来そうなほど密着しながら話し続ける。
遥香も慣れた風があり、別段嫌がる素振りも見せていない。
「ふぅん･･･誰だか知らないけど、はるちゃんに一撃当てられるなんて中々やるね～」
「･･･私も油断してたわ」
昨日のことを思い出してか、不機嫌さを隠すことなく顔に出す遥香。
「あぁ･･･はるちゃんの綺麗な足に痣が･･･私が舐めてあげようか？」
「･･･遠慮しておくわ」
少女は本気なのか冗談なのか分からないトーンで話す。
その手は遥香の太股に添えられ、傍から見れば非常に艶のある光景に見えなくもない。
だが、遥香はそれが今は冗談だと言うことが分かっているのか、落ち着いた様子だった。
「んもう、機嫌治してよ～？次はこの私もはるちゃんの為に一肌脱いじゃうから！」
「･･･ネクシブが･･･？」
金髪の少女、ネクシブの予想外の発言に今までとは違い、多少驚いた様子を見せる遥香。
「うんうん」
「･･･でも、貴方･･･」
「大丈夫大丈夫、やり過ぎないように気をつければきっとお咎めもないと思うから」
「･･･まぁ･･･ネクシブがそう言うならいいけど」
ネクシブは相変わらずの満面の笑みで遥香と話し続ける。
「はるちゃんはお姉さんと心置きなく･･･邪魔者は私が引き受けちゃうから」
「･･･先の子供も居るし･･･中々厄介だとは思うけど･･･？」
真司は馬鹿にした遥香だったが、閑流の実力は身を持って認めていた。
「大丈夫大丈夫！はるちゃんのお姉さんじゃあるまいし、そこら辺の退魔師が束になったところで私には触れることも出来ないから」
「･･･まぁ･･･それはそうね」
ネクシブは自信に満ちた発言をするが、遥香はそれが決して強がりでも自信過剰な発言とも取っていなかった。
「はるちゃんはー･･･まずはその傷を完治させることね」
「･･･そうね、この傷が癒えたら･･･その時は頼むわね」
改めてネクシブと約束を交わす遥香。
「まっかせておいて～♪･･･それで、その傷を早く癒すために私と～」
「･･･はいはい･･･」
こうして遥香は足の傷が癒え次第、再び郁と会うことを決めたのだった。
遥香とネクシブ、二人の少女が動き始めたことは郁だけではなく、真司たちにも大きな影響を及ぼす意味を持っていた。
季節は秋も深まり、そろそろ衣替えの季節となる･･･気の早い店などではそろそろ冬の品物などを考え出すような時期となっていた。
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