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【東方CG集(紅魔館編)】
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制服に着替え、自分の持ち場へ戻ろうとした真司はふと教室の隅に人だかりを見つける。
（･･･ん？）
一応はこの場の責任者として何があるのか確かめなくてはならない。
そう思い向かうとそこには･･･
（･･･なるほど･･･）
人だかりの中心には制服に着替えた真妃の姿があった。
葵でも居ればこんなことにもなっていないのかもしれないが、葵は午後の係だった。
（･･･いや、葵さんが居たらもっと悪化していたか･･･）
などと考えていると、人だかりの中心から真妃の声が聞こえた。
声を荒げて怒鳴っている。
何時もの真妃だった。
（･･･おぉ、やはり当然こうなるよなぁ･･･）
これで人だかりも･･･そう思った矢先･･･
周りの男女混合の人だかりからは怒った様子がまた良いなどという言葉が次々と出てくる。
流石にそう言われてはそれ以上怒るに怒れないらしく、また困った様子になってしまった真妃。
（･･･なるほど･･･これでこの状況なわけか･･･）
真妃がここから抜け出せない理由が分かったところでどうするか考える。
（うぅむ･･･一応はここを委員長から任せられてるしなぁ･･･）
どうするべきかと頭を捻っていると･･･
「･･･！」
（･･･お･･･）
渦中の真妃と目が合う。
その目は助けを請う子犬のよう･･･ではなかったが、その目はどう見ても何とかしろと言っている。
（･･･まぁ･･･仕方ないな･･･）
心の中で軽いため息を吐く。
「ちょっとすいませんー」
目の前の人だかりに割って入る。
「真妃、いい加減に持ち場に戻れって」
「･･･あ、え、えぇ」
まさか本当に助けに来るとは思っていなかったのか、驚いた様子の真妃の手を掴み教室を出る。
教室にいたのではあの人だかりの目からは逃れられないのでとりあえずは廊下を歩く。
「･･･ちょっと」
「･･･ん？礼には及ばないぜ」
「･･･そうじゃなくて･･･手、離して欲しいんだけど」
「お･･･？あぁ、悪い悪い」
今まで掴んでいた真妃の手を離す。
するとさっさっと教室へと戻るのか真司に背を向ける。
「･･･一応」
「･･･？」
背を向けたままに言葉を続ける真妃。
「言っておくわ･･･ありがと」
「･･･おう」
背中しか見えない現状では真妃の表情は見れなかったが、その言葉が本心からのものだということはよく分かった。
そして、思ったことがある。
「･･･意外と、女の子らしいというか･･･可愛いところあるよな」
「･･･」
真司の言葉に真妃の背中がピクリと反応した。
そして･･･
「･･･死ねばいいのに」
「･･･」
ちらりとこちらを振り向くと吐き捨てるように呟き、さっさっと教室へと戻って行ってしまった。
色々な意味で真司はただその場に立ち尽くすのみだった。
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