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【東方CG集(紅魔館編)】
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（･･･恋人かぁ･･･）
夕食を済ませ、入浴も終えてベッドの上でリラックスしながら考え事をしている恵理佳。
森さんは夕食を得理佳の後にしっかり貰っているので満足そうにソファーで既に夢の中に入っている。
今の時間は夜勤の仕事などをしていなければ家に居るような時間帯である。
今日の昼間に陽那から恋の話をされてからというもの、頭の片隅でずっと考えてしまっていた。
最近は特に意識して考えたことなど無かったのだが･･･随分久しぶりに考えさせられてしまう。
それまで興味のない人間でも、身近な友人や知り合いがそういった関係の人間を見つけた、付き合ったと聞かされると少なからず考えてしまう。
特に今回は今までそう言った素振り等は全く感じさせなかった霧月が話しに挙がったので尚更だった。
「･･････」
ふと横に置いてあった携帯を手に取り、履歴からダイヤルをする。
数回ほど呼び出し音が鳴ると電話の出る音がした。
「あ、もしもし･･･兄さん？」
『珍しいな、こんな時間にどうした？』
今日はバイトもない筈だったので電話をしたが、とりあえず出てくれたことに一安心する。
「急な話なんだけど･･･明日の放課後とか空いてる･･･？」
『あー･･･明日か？明日はダチと遊ぶ約束があるな』
「そっか、ごめんね、急に」
『いや、構わないが･･･何か用事でもあったのか？』
恵理佳は何とか自分で分かるほどに落ち込もうとしているテンションを維持して答える。
「ううん、特には無かったから･･･気にしないで」
『そうか･･･？まぁ、何かあるなら土曜にでも言ってくれ』
「う、うん、ありがとう」
『あぁ、んじゃな？』
「うん、おやすみなさい」
『おーう』
真司は何時もの気楽な雰囲気のまま電話を切った。
だが、恵理佳の方は何時ものように、とはいかなかった。
「ふぅ･･･」
軽く溜息を吐きながらベッドに寝転がる。
別段先ほどの電話の内容が納得いかなかったわけではない。
真司も普通の対応だったし、今まで通りと言った感じだ。
前日の夜に急に言われても先約が入っていてもおかしくはない。
毎週土曜日には定期的に会っているのだから、何かあるならその時でいいと言うのも正論だ。
だが、もしもこれが特別な仲だったら少しは違っていたのかもしれない。
そんなことを考えてしまうとなんとも言えない気持ちになってしまう。
（･･･従兄妹かぁ･･･）
自然と溜息が漏れる。
その関係性故に言うに言えない現状。
だが、その関係性が無ければもしかすると出会えてすら居なかったかもしれない。
そう考えると嬉しくもあり悲しくもある。
「･･･寝よう･･･」
このまま考え続けてしまうとろくな結果にならなさそうだったので、その考えから逃げるようにして就寝の準備を始めるのだった。
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