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対魔征伐係.67「雪菜と宿泊②」


「・・・そろそろ出るか・・・雪菜が先に出てくれ」
「おっけ~」
いい加減にこの状態で居ることに限界を感じた真司は雪菜を先に上がらせることにした。
雪菜が浴槽から出るときもなるべく視界に入らないように注意する。
このまま何事も無ければ・・・そう思った矢先。
「ねぇねぇ、コレ何~?」
「・・・あぁー・・・まぁ・・・遊ぶためのものだ」
雪菜が浴室の壁に立てかけてあったマットに興味を示した。
質問されては見ないわけにはいかなかったので、仕方無しにモノを確認し、遠まわしに答える。
間違ってはいない、筈だ。
「ふぅん・・・コレは~?」
続けざまにマットの傍に置いてあった瓶を指差す。
「・・・まぁ・・・マットとセットでな・・・使うんだ」
ローションの詳しい説明は省き、非常に大雑把に答える。
だが、それが不味かったのかもしれない。
「・・・どれどれ・・・」
「おま・・・」
雪菜は言いつつマットを敷き、上に乗り・・・瓶を手にする。
制止しようとしたが、時既に遅く・・・瓶からは透明のローションがたっぷりと吐き出されている。
「・・・ぬるぬるしてるよ・・・」
「・・・」
用途も分かっていない雪菜は体中にたっぷりとローションが掛かっていて、とてもエロイ。
思わず言葉を無くす真司・・・だが、顔を背けることはしていない、出来なかった。
しばらくして・・・
(うぉぁッ!?・・・いかん・・・いかんですよ・・・)
我に返り、勢いよく顔を背ける。
だが、やはり既に手遅れになっており・・・体の一部はしっかり反応している。
あんな光景を目の前で見て反応しない男子は健全とは言いがたいのだが。
「・・・滑るぅ~・・・」
「・・・いいから遊んでないで洗い流してさっさっと出ろ・・・」
今度は顔は向けずに声だけで退出を促す。
「は~い」
(・・・ふぅ・・・)
素直にシャワーで体を洗い流し、泡とローションを綺麗に流した雪菜は浴室を出て行った。
真司も反応が消えるまで一息ついた後、浴室を後にする。


浴室から出た時点で時間はかなり深い時間だった。
翌日も休みではないので、大人しくベッドへと移動する。
当然のように二人は同じベッドなのだが、そこは意識さえしなければどうと言う事はない・・・筈だった。
照明も消え、薄暗くなった室内には微かにクーラーの音が聞こえるだけだ。
「・・・起きてる・・・?」
「・・・あぁ・・・だけど明日も平日なんだし・・・早く寝ろよ?」
二人大きな枕を共有し、隣で寝ていた雪菜が伺う様にそっとしてきた質問を投げやり気味に返す。
今日は散々歩き回り、先ほどは精神的にも疲弊し・・・既に真司は片足夢の中だった。
「うん~・・・少し、聞いてもいい・・・?」
「・・・少しな・・・」
眠気は徐々に強くなっていく。
「真司はやっぱり郁みたいに胸はあった方がいい・・・?」
「・・・まぁ・・・無いよりはあったほうがいいが・・・」
胸の大きさを気にするなんてことは良くあることだ。
それは恵理佳で重々承知していた。
驚くような質問でもなかったので、眠気は更に強くなる。
「恵理佳みたいに料理は出来た方がいい・・・?」
「・・・あー・・・俺がからきしだからな・・・これは出来た方がいいな・・・」
眠気もいよいよ酷くなり、自分が何を言っているのかも怪しくなってきた。
質問があるので気合で起きている感じである。
その質問に対する答えも脊髄反射的なものになっている。
「それじゃあ・・・綾音みたく勉強は出来た方がいい・・・?」
「・・・いや・・・そりゃ出来ないよりは出来た方がいいが・・・別に拘りはないな・・・」
段々口を開くのも億劫になってきた。
「・・・いい加減に雪菜も寝ろ・・・」
「うぅん・・・じゃあ、次で最後」
「・・・最後な・・・」
やっと最後だと聞き、安心からか少しだけ意識が戻る。
「真司はー・・・」
「・・・」
その先が中々聞こえてこない。
質問が始まったときから目は瞑っていたのだが、雪菜が寝たのかと思い、目を開けて雪菜の方を振り向く。
「・・・私のことー・・・嫌い?」
「・・・何度言えば・・・んなワケないだろ・・・?良いから寝ろって」
少し前と同じことを聞かれ、肩透かしを食らったような気分だった。
呆れ顔を隠すことなく、溜息と共に雪菜を促す。
「ん・・・おやすみぃ~♪」
「おやすみ」
結局何のための質問だったのかは謎だったが、寄り添うようにして眠りにつく雪菜は幸せそうだった。



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Author:シンヤ(nanpP
・東方では始めて会った時からレミリア一筋。
・生粋の黒ニーソスキー。
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